手のひらを返すようだけど

9回二死からの日本文理の猛烈な粘りには感動した。
点数開いてたしサクッとツーアウトまで来て、あー決まっちゃったなーと思って見てたらあれよあれよといううちに1点差まで来て。
最後のサードライナーも本当、もう少し横にそれていればという当たりだった。

点差が縮まる度に甲子園がどんどん異様な雰囲気になっていって、
余裕ムードから一転、中京大中京の選手達がどんどんその騒然とした雰囲気に呑まれていく姿がとても印象的で鳥肌が立ちました。
高校野球では有り得ない個人名大合唱の伊藤コールとか、
一点差に迫るレフト前ヒットを打ったちょっと太った代打・石塚のガッツポーズとか、
とにかく押せ押せお祭り騒ぎの日本文理ナインを見ていたら、
この勢いで一気に何か凄いことをしてくれるんじゃないかという無限の可能性を感じました。


結局、惜しくも10対9で敗れたわけだけど、
とにかく劇的でそれも終わり方が痛烈なサードライナーだったということもあって、
グラブに収まった瞬間、これで終わりというのをすぐには受け止められなくて、
中京大中京が優勝したという現実もなんだか嘘みたいで、しばらく信じることができませんでした。
それだけ日本文理の追い上げは見事で、まさに夢のような展開だった。
優勝した中京ナインが号泣、負けた日本文理ナインが笑顔という、なんとも不思議な光景がこの試合の壮絶さを物語っていたと思います。
とても良い決勝戦でした。



多分、日本文理はくじ運だけで勝ち上がったチームだと
冷ややかな目で見ていたのは僕だけじゃなかったと思います。
でも今日の試合で日本文理はくじ運だけのチームじゃない、この強さは本物だということを強烈に高校野球ファンの記憶に刻み込んだと思います。
本当に見てて良かった決勝戦でした。
人生諦めたら終わりなんだなぁって。



日本文理×中京大学附属中京は間違いなく今年一番のベストゲーム。
いや、歴代でもかなりのものだと、僕は感じました。
負けたけど、負けた気がしない、
そんな日本文理
準優勝おめでとう。