たまに思うこと

以前、所属していた劇団のHPがリニューアルされていた。
とても洒落た感じになっていた。
そこで劇団ブログみたいなのがあったので読んでいたら、
なんと今年は15人もの新人が入ったそうだ。
去年はわずか3人。
僕のときは男女比2:7の9人だったのにだ。
良くも悪くもアンバランスさは全く変わっていないのが少し笑えた。
矢張り、劇団サークルで活動してる人を見ると、
たまに眩しく見えたりする。
ああ、なんて夢や希望に満ち溢れているんだって。
僕もなんだかんだ1年3ヶ月ほど活動していた身ですから、
多少なりとも羨ましくも思ったりときがするわけです。
どんどん同期とも引き離されていくんだなあって、しみじみ思う。
勿論、こうなったのは全て自分が悪いことだから何とも言えないけど。
そう思ってたら居ても立ってもいられなくなって、
今年の本公演は偽名を使ってこっそり観に行ったけど、
その劇風も去ることながら、
自分がいたころとはまるで違う同期の姿に僕は目を疑った。
みんな頑張ってる、どんどん上に行ってる。
それなのに自分はヘタレ。
なんか悲しくなった。
その劇団サークルの評価もどんどん上がってるらしい。
凄いなあ。
でも、僕にはもう未練は無い。
全く無いと言ったら嘘になるけど、
そうでも言い聞かせないと心が折れそうになるからそういうことにする。

ただここに居たことで、
自分が知ることの無かった世界を色々覗くことができた。
芝居のしの字も分からなかった自分が、
何故、國學院のサークルを辞め、
はるばる早稲田のサークルへと飛び込むことができたのか。
何故、そんな身の程知らずなことができたのか。
自分でも未だに疑問に思うのだから、もうこれは若気の至りとしか言いようがない。
入った当初は、
それはそれはわからないことやビックリすることの連続だった。
まず、あだ名を無理矢理にでも付けて呼ぶというサークルの伝統。
高校まで、名字にくん付けでしか呼ばれたことの無かった自分が、
いきなり何て読んでほしいかあだ名を言えなんて、到底不可能だった。
ここでもまず一つのカルチャーショックを受けた。
他にも挙げればキリが無いが、
役者よりもスタッフの方が偉いとされること。
(→ドラマの撮影現場とかだと役者の方が偉そうに見えるでしょ?)
役者がスタッフに一々ギャラを支払わなければいけないこと。
(→そんなん部活とかだと無償が当たり前でしょ?)
役者自らが舞台を作らないといけないこと。
(→マジで?)
役者はガタイや顔が良くないと務まらないということ。
とにかくイケメン至上主義であること。
劇団内恋愛はまさに鉄板話。
そして一番ビックリしたのが
客は自分で呼ばないといけないということだ。
客は呼ばなくても勝手に来てくれるものだと思い込んでいた僕は、
一番最初に先輩から名簿みたいなものを渡されたときは意味がわからなかった。
しばらくして僕はそれがお客さんを何人呼んだかを記す名簿であることを暗に理解した。
俗に言うチケットノルマであり。
当然、上京してまもなく、全てを捨てて飛び込んだ自分に呼べるような友人はいるはずがなく、
新人試演会は結局客数ゼロに終わったのだった。

同期との付き合いも本当に意味がわからなかった。
元々、コミュニケーション能力が無く、
更に吃音、背が低い、キモい顔面ときたら、
まず同期の女から敬遠されるのは当たり前だ。
唯一の男とも最後までソリが合うことはなかった。
正に泥沼である。
ここでも結局誰とも仲良くなることはなかった。
当然と言や当然だが。
ただただ女に対する憎悪しか残らなかったように思う。
この経験から、僕は女を信用しないことに決めたのである。
散々、汚い部分を見せられたから、もうおなか一杯。
ちゃんちゃん。